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連載第1回 KEYVOXで始めるスペースレンタル

更新日:2020年5月28日


顧客ニーズの多様化と空き部屋の有効活用のニーズが合致して、近年急速に市場が伸びてきたのがスペースレンタルです。スペースレンタルは空間を借りたい人と、空間のマッチングですので、実は顧客対応コストを極限まで下げて運営することで、ビギナーでも十分に利益の出るビジネスです。本連載では利益の出るスペースレンタル運営のコツを紹介していきます。


 


1.スペースレンタルとは

5.スマートロックの設置

6.内装工事と各種デバイス

7.プラットフォームへの登録

8.自社サイトの構築

9.運営開始とKEYVOXを利用した運営方法

10.顧客とのコミュニケーション

11.レビューを獲得する

12.日々のメンテナンス

13.運営のコツ

14.利益を出すために


 


1.スペースレンタルとは


民泊新法ができる少し前までに民泊が爆発的に普及したのは、通常の賃貸で貸すよりも、宿泊で貸した方が利回りが高くなるからです。そこに目をつけた大家や、運営者がこぞって参戦し、一種のカオスが起き、結局、民泊新法の施行と共に簡単には始められないビジネスとなりました。この一連の事象で分かったことは、空間は細切れにすればするほど収益率が上がるということです。年単位の賃貸を一つのビジネス形態とするならば、民泊はそれを1日単位で切り売りするもう一つのビジネス形態です。民泊の方が通常賃貸より収益率が高いのは、宿泊ビジネスの方が単価が高いからです。この1日を更に細切れにして時間単位で貸し借りするのがスペースレンタルです。理論的には時間貸しで全ての時間が埋まれば、民泊よりも更に収益率が上がるはずです。


スペースレンタルをあまりご存じない方は時間単位で何を借りるのだ?と思われるかもしれませんが、例えば皆様が住まわれているマンションのパーティールームも立派なスペースレンタルです。何故マンションにパーティールームがあるのかといえば、有人を自宅に招くのは事前の掃除や、事後の後片付けなど面倒くさい事が多数あります。それをパーティールームに招待することで、招待しつつもそのような手間がいらず、また、場所によっては高層階にあったりよりステータスのある場所を安く利用できたりします。このようなニーズは何もマンションに住んでいる住人だけのものではありません。一戸建てに住んでいる人も、ちょっとしたパーティールームを利用したいケースも有るでしょう。また、オフィス街では自社オフィスの会議室難民という会議室に入れない人たちの母数は莫大なモノがあります。オフィス街の近辺で貸会議室を運営するのも大きなビジネスチャンスでしょう。また、近年大人もYouTubeを見るようになり多数の動画がアップロードされています。自宅や自宅近辺で動画を撮るのはプライバシーの観点から心配事項が多数あります。そのようなYouTuberに動画スタジオを提供するのも一つのビジネスチャンスでしょう。


このような、仕組を特定のコミュニティに留まらず、広く一般に公開し一般人と空間のマッチングを始めたのがスペースマーケット(https://spacemarket.com)を代表とする、所謂スペースレンタルプラットフォーマーです。各プラットフォーマーの特徴は別途記載しますが、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、皆様のスペースの収益性を大幅向上させることが可能です。


どんなスペースを借りればいいの?



次にスペースレンタルを始めるためにステップを説明します。


先ずは兎にも角にもスペースを見つけてこないといけません。既に大家をやっており自身が保有する空間がある場合はその空間をスペースレンタルに転用することも検討します。また、もし既に民泊を運営しているのであれば民泊の空き時間をスペースレンタルに提供するのも一つの方法です。そうでなければ、不動産屋を巡り、収益を生みそうな物件を探してくる必要があります。不動産屋に行く前に理解しておかないといけない決まりがあります。通常、オフィス用、店舗用、住宅用と用途ごとに募集をかけている事が普通ですが、それぞれの用途でほとんど全てが転貸禁止となっています。これは多くの大家や不動産屋が未だにスペースレンタルを、所謂賃貸契約の禁止事項の「又貸し」と理解しているため、ストレートに交渉に行くとそもそも話を聞いてくれません。従い、先ずは頭の柔らかい不動産屋を探したり、知り合いの大家がいれば直接相談する等、少々のノウハウと忍耐力が必要となります。多くのケースで拒否されると思われますが、大家さん、不動産屋ともに収益をもたらして上げているんだと胸を張って交渉にあたりましょう。

このハードルを乗り越えて気に入った物件が見つかればようやくプロジェクトがスタートします。


さて、いい物件の条件とは何でしょうか?用途により違いますが、先ずはプラットフォーマーのサイトのレビューなどを確認し、何処のどのような物件に、どのようなニーズで多くの予約が入っているのかを学習していきます。特に自分に土地勘があるエリアのレビューを読むとある程度のアイデアが湧いてくると思います。それのアイデアを元に、パーティーニーズで行くのか、会議室ニーズで行くのか、撮影スタジオニーズを取るのか、ターゲットを絞り物件を探します。カフェなりホテルなり、自分の好きな空間のイメージを持って、ここにこういうイメージの物件があったら自分も使ってみたいと思える空間に出会えるまで根気よく進めます。


スペースレンタルの収益は?


場所を選ぶにも、自身が保有する物件でなければ当然家賃というコストがかかります。そのコストが、最終的にペイして利益がでないと何のためにやっているかさっぱり分からなくなります。収益を計算するもっとも簡単な方法は、想定売上を家賃の2倍で計算することです。10万円の家賃なら、20万円が想定売上、20万円なら40万円です。もちろん場所やコンセプトにより大きく前後します。しかし、最初から家賃の3倍や4倍で収益計算すると、大きな赤字となり継続できなくなります。このビジネスは少ない投資でどれだけ薄く長く、低コストと省力で回すかがポイントとなるため、家賃の2倍でも収益の取れる構造を目指します。コストと収益の考え方は別に機会に詳しく説明します。


スペースレンタルに準備するもの


BCL-XP1
スマートロックは省人化運営の強い味方です

さて運良く物件が見つかったら開業に向けて準備をします。何を準備すればいいでしょうか。大きく分けて、設備投資とランニング投資となります。


設備投資

誰しもカッコいい空間に憧れます。当然お金をかければかけるほど憧れの空間となるでしょう。一方で、人の趣味は千差万別ですし、必ずしもそのお金のかけ方はゲストの欲している掛け方ではないかもしれません。また、家賃の倍程度しか儲からない案件に何百万円も投資をすると回収するのに5年以上かかることもあるでしょう。5年も先には既にトレンドは変わっているかもしれません。一方で、全ての家具や内装を楽天やニトリの安物ばかりの部屋を敢えて借りようという動機も乏しいかもしれません。このように考えると、メリハリをつけて、肌に触るものやインスタ映えを狙えるような内装にはお金をかけて、その他はにはお金をかけないというような取り組みが重要となってきます。これらの投資をまとめて一年半程度で回収できるような収支計画を作りましょう。


ランニング費用

一方で月額でかかってくる費用は、家賃以外にも水道光熱費等多数あります。特にクーラー、暖房はゲストはほぼ電気代を気にせずにエアコンを利用しますので非常に高額になります。また、ビジネスや動画スタジオ、鑑賞会としての利用を想定するのであれば、ブロードバンドの開設も必要でしょう。家賃の10%程度を想定しておきましょう。


次回は、レンタルスペースの収益構造について考えてみましょう。

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